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2015年4月25日 M7.8の大地震により300万人が被災し、9000人以上の人々が亡くなったネパール大地震。
日本人写真家石川梵は大地震直後ネパール、カトマンズへ飛んだ。そしてジャーナリストとして初めて最も被害が深刻といわれるヒマラヤ山岳地帯の震源地へ向かった。ジープと徒歩で2日間、山道を開拓しながら辿り着いた震源地の村、ラプラックは家屋がことごとく破壊され、村は壊滅していた。カトマンズからの報道からは見えてこないネパール大地震の現実だった。
標高2200メートルの傾斜地にある震源地の村、ラプラック。大地震により家屋がほぼ全滅状態の中、そこには、復興に向けて懸命に生きる家族がいた。
放牧を営む父・ボラムサキャに憧れ、背中を追う天衣無縫なアシュバドルと、天真爛漫で天使のような妹・プナム。貧しい中でも希望を捨てず、助けあって生きる家族。互いに手を取り合うその姿は、古き良き時代の日本を彷彿とさせ、どこか懐かしくも感じる。
雄大なヒマラヤの大自然、その懐で慎ましく暮らす人々。
復興を目指して、村を取り巻く大きな問題に直面するとき、村人は何を思うのか。人々が絶望に直面したとき、世界はどう変わるのか。
巧みに描かれるラプラックの世界は、常に人々の存在があるからこそ、美しいく輝くのである。